- 食道、胃、十二指腸、大腸の透視ならびに内視鏡検査、ERCP、腹腔鏡を積極的に行い、胃癌、大腸癌、肝癌の検診施設として機能しています
- 消化管の早期癌に対する内視鏡的粘膜切除術の症例は着実に増えており積極的に取りくんでいます
- 原発性早期肝癌に対する腹部超音波下エタノール注入療法も良好な成績を収めています
- 食道癌、胆道癌に対するメタリックステント挿入も放射線療法と併用しQOLの改善に役立っています
内視鏡を使ったお腹を切らない胃癌の治療法
胃がんの治療法には「外科的開腹手術」「放射線治療」「抗がん剤治療」などいろいろありますが、極めて早期の胃がんには内視鏡(胃カメラ)を用いたお腹を切らない、患者さんのからだへの負担の小さい治療法が用いられるようになってきました。
最近は器具、薬剤の進歩に伴い大きな病変も切除可能となった「内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)」と呼ばれる方法が注目されています。まず内視鏡を胃の中に入れ、病変の周囲に電気メスで印をつけます(図1)。
次いで薬剤を病変の下(粘膜下層といいます)に注入し粘膜を浮かせます(図2)。 その後、専用のナイフを用いて病変周囲を切開し、剥ぎ取っていきます(図3,4,5)。ESDでは従来の方法より大きな病変が一括で切除でき正確な病理診断も可能です。
このESDによる治療は当院でも平成16 年秋から導入し、現在までに60 例を超える治療を行いました。大きさ2cm くらいの病変なら胃内の部位にもよりますが処置は一時間程度ですみ、その間は鎮静剤で半分眠った状態で痛みの無いまま終わってしまいます。
入院が必要ですが切除後の潰瘍の治療も含め8~10日の入院ですみます。
ESDの対象となるのは、粘膜内に留まるがんで、リンパ節転移の可能性がほとんど無いことが基本要件です。
具体的には、1 ) 粘膜内癌:胃の表層(粘膜内)にがん細胞が留まっているもの、2 ) 分化型癌:がん細胞の形や並び方が胃の粘膜の構造を残しているもの、3)大きさが2cm 以下のもの、4 ) 潰瘍を伴っていないもの、の四条件を満たすものとなっています。
早期発見のためにも、自覚症状のない時からきちんと検診を受けられることをお勧めします。
- 図はオリンパス お腹の健康ドットコムより引用。
- 病変によっては時間のかかる場合があります。
- 治療に伴う偶発症として、出血、穿孔(胃に穴があくこと)等もあります。
担当医から事前に十分な説明を受けてください。

(山本哲夫副院長) |