
地域を支える病院 2011/1月
米子医療センター 院長 浜 副 隆 一
明けましておめでとうございます。皆様には健やかに新年を迎えられたことと存じます。今年もよろしくお願い申し上げます。
米子医療センターは、国立病院機構に移行して7年、第2期中期目標として、病院機能の向上と地域医療支援機能の充実および老朽化した病院の建て替え整備を掲げ取り組んで来ました。病院機能に関しては、「鳥取県保健医療計画」の中で中心的な役割を担えるよう努め、4月には鳥取県西部の地域がん診療連携拠点病院の再指定と鳥取県エイズ治療拠点病院の指定を受け、さらに8月には地域医療支援病院の名称使用の承認を得ることができました。地域医療支援病院には、第1線で診療されている「かかりつけ医」の先生方を支援し、地域医療の中核病院としての役割が課せられていますので、適切な役割分担の下に、地域の診療所や病院の先生方との連携をさらに深めて参りたいと思います。
病院の建て替え整備に関しては、永年の念願が叶って、10月に全面更新築整備が機構本部に承認されました。独法化されている機構病院はそれぞれが自立・自活を旨としていますので、更新築整備についても厳しい審査を受け、資金捻出力の安定性と償還計画の妥当性が評価されて承認されたものです。職員の皆さんの多方面からの経営改善の取り組みが、赤字病院を3期連続の黒字決算に転換させ、病院の更新築整備をも可能にしたのだと、感謝に堪えません。病院の更新築整備は40年に1度の大事業で、この地域の医療に対する大きな投資ですので、鳥取県行政をはじめ、鳥取大学医学部や医師会の先生方、そして住民の皆様にご意見をいただきながら、地域を支えるに足る病院を築いていきたいと思います。
当院の医療機能については、これまでに体制を整備し機能を充実させてきた「がん医療」と「腎医療」を中心に、高度化した医療への対応や療養環境の改善あるいは診療業務の効率化を図っていく予定です。その概要ですが、まず移植医療について、「腎臓移植施設」、「移植検査センター」および「非血縁者間骨髄採取・移植施設」として鳥取県で唯一の役割を果たしていますので、移植の推進・啓発活動や提供体制の整備などを鳥取県と連携して行える「鳥取県腎センター」の設置、および骨髄移植に加えて臍帯血移植や末梢血幹細胞移植などを総合的に行う「幹細胞移植センター」の設置を計画しています。さらにがん医療については、五大がんを中心に幅広いがん腫を診療していますが、高度専門化する化学療法の施行例が増加していることから、「化学療法センター」を設置し、高い精度管理の下で施行する計画です。さらに、西部医療圏で未整備となっている「緩和ケア病棟」を新設し、がん医療体制を強化したいと考えています。
米子医療センター・がん医療講演会にお招きした医師で作家の鎌田實先生は、「地域を支える病院は強くて、暖かくて、優しい」という言葉で講演を締められました。みんなで「強くて、暖かくて、優しい病院」を目指しましょう。