
院長室

平成24年5月1日
独立行政法人国立病院機構 米子医療センター
院長:浜副 隆一
岐路に立つ
今年は例年になく雪の降る日が多かったのですが、季節は巡るもので、木々に芽生えた新緑は日に日に濃さを増し、力強さを感じさせます。「うるう年」にあたる今年は、スポーツの祭典であるオリンピックと大国アメリカの大統領選挙が行われます。振り返りますと、4年前は、バラク・オバマ氏が「Change!」を合い言葉に大統領に初当選した年でしたが、米子医療センターにとっては病院の再生を誓った決意の年でした。そして今、私たちは「再生プラン」をやり遂げ、「新病院建設」という新しいステージに立ちました。病院再生のために共に闘って頂いた仲間たちがこの春に異動になりましたが、代わりに事務部長をはじめ多くの人材が新しく仲間に加わりました。病院建設の本体工事が目前に迫り、なおかつ、診療報酬改定が重なりましたので、全員が即戦力として活躍して頂けることを期待しています。また、機動部門である統括診療部におきましては、(特命)副院長を含め常勤医33名の体制で診療に当たることになり、診療機能が充実したことを嬉しく思います。
独立行政法人(独法)制度ができて10年になりますが、この間、自民党、民主党政権を通して様々な形で独法のあり方が見直されてきました。そしてこの度、行政刷新会議で最終案が取りまとめられ、102の独法組織が65法人に統廃合・集約されることになりました。国立病院機構を含む7法人は独法の枠組みから切り離され、平成26年4月に民間型の新たな法人に移行することが決まりました。国立病院機構はすでに、国からの補助金を一切受けずに診療事業を行っているにも拘わらず、国家公務員法や独法通則法に縛られて総人件費が厳しく管理されてきました。病院の医療は多くの人手があって成り立つ事業ですので、診療機能に応じて必要な職種を雇用できなければ、当然ことながら、質の高い医療サービスを提供することはできません。新法人に移行することによって、医療現場の人手不足が解消され、充実した医療サービスが提供されることに大きな期待を寄せています。
国の財政危機など外部環境が不安定さを増す中で、「国から独法」そして「独法から新法人」に移行する国立病院機構は、これまでにない岐路に立っていると思います。病院であっても、企業経営と同じく、再生産に必要な利益を生み出さなければ、事業を継続することも、社会に貢献することもできません。当院のような中小規模の病院は、診療報酬上の追い風を受けることが少なく、大規模病院に比べて医業収益が少ないのは当然ですが、病院の値打ちは規模の大きさや収益の多さで決まるものではありません。
米子医療センターは、これまでに培った個性や強みを最大限に活かして、近隣にある病院・診療所との連携を深め、地域での立ち位置を明確にした運営を心がけて参りますので、ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
地域がん診療連携拠点病院の再指定を受けて
当院は平成17年1月17日に鳥取県西部地区の地域がん診療連携拠点病院の初回指定を受けました。その後地域の医療機関と連携を取りつつ、緩和ケア、放射線治療の充実、鳥取県最初のがん患者サロンの開設、がん相談支援センターの設置と着実に歩んできています。
今後も、都道府県がん診療連携拠点病院の指定をうけた鳥取大学医学部付属病院、並びに地域の医療機関との連携をより一層密にし、西部地区のがん診療の向上に取り組んで行きたいと思います。